「サイボーグ009 神々との闘い編 前編」

「月刊COM」で、『ジュン』の後に連載した作品です。『ジュン』の事を知った後に、この作品に触れると、その系譜に頷きます。それは、作家性を重んじて、前衛的な実験が許された雑誌に、サイボーグ009という作品を書いたら、きっとこういう表現方法になるのかもれないな、という納得です。

 

まぁ、そんな事に納得する前に、自分的には、サイボーグ戦士達が、神々と闘うことに14年間も苦しめられて(笑)、いえいえ、そうじゃなく(笑)、振り回され(笑)、それも違いますね。石森章太郎という大萬画家と、同じ苦悩を共有出来た、貴重な作品です。石森ファンには、この作品がどういう位置にあるのか説明するまでもないかもしれませんが、知らない方のために、ちょっとご説明させて頂きますね。

 

『サイボーグ009』という作品を、作者は完結させようと、最強の敵を登場させます。それが、“神”―。最初は『天使編』というタイトルで、壮大な構想を持って描き始めたのですが、もっと準備期間を得て、構想を練り直したいと、自分の意思で中座させました。

 

そして、時間を置いて、その神と闘う完結編を、雑誌を変えて、新シリーズとして再開させたのが、この『神々との闘い編』です。“満を持して”だったのかどうか、そこに関しては、本人にしかわかりませんが、僕から見ると、ちょっと疑問符が付きます。

 

そして、時間を置いて、その神と闘う完結編を、雑誌を変えて、新シリーズとして再開させたのが、この『神々との闘い編』です。“満を持して”だったのかどうか、そこに関しては、本人にしかわかりませんが、僕から見ると、ちょっと疑問符が付きます。

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