「さるとびエッちゃん 後編」

雑誌なのか、テレビのインタビューか、しかも何方が仰ったコメントか定かではありませんが、ベテランのマンガ家の方が、「ギャグマンガを長く続けることは難しい」と仰っていたことを思い出しました。考えたら、ギャグマンガの大抵は、一話完結ですからね。週刊誌だったら、毎週毎週の読み切り作品で、ギャグやストーリーのアイデアを出し続けなければいけないわけですから、辛いでしょうね。しかも、読者の支持が続かない限り、連載も続かないわけですから、それがプロだと言われてしまえばそれまでですが、

 

僕も芝居で、二時間の長編作品を年に二作品発表するだけで、ヒーヒー言っているのに、それを一週間のスタンスで書き続けなければならない事がどれほど大変か、それは経験した人じゃないと理解できないでしょうね。

以前、少年ジャンプで連載していた、江口寿史先生の「すすめ!パイレーツ」が好きで読んでいたのですが、締め切りに追われて、白いワニが目の前に現れると、よく書いておりました(笑)

当時のジャンプは、マンガ家の方が、中編の読み切り作品をリレーで掲載する企画があったのですが、物凄いシュールな終わらせ方で中座してしまったまま作品が掲載されて、それを目にした時は、子供心にもアイデアに行き詰ってしまったのだと、この仕事は大変な仕事なんだと、自分の親が同じ仕事にも関わらず、他人事のように感じたことがございます(笑)

 

こう書きながら、ふと思ったのですが、長編のギャグマンガって、余り無いですね。ネットで検索したら、今世紀に入ってからは、あるようですが、それでも稀有な事だと思います。石森から石ノ森になり、もし現在も存命であるならば、今世紀に、その長編のギャグ萬画を描いて欲しかったです。それも、「さるとびエッちゃん」で。エッちゃんが、その特異な能力で冒険かなんかしてくれたら、「ワンピース」のような長編が描けるんじゃないですか。

 

あの天然ボケキャラは、永遠不滅に愛される人物です。しかも、この世知辛い世の中だからこそ、存在していてほしいと、そう思うのは、きっと僕だけではないと思います。

僕が見ていた石ノ森章太郎 記事一覧