はじめに

2017年12月

 

『その人』は、僕が子供の頃から、決して子ども扱いせず、一人の人間として向き合い、何かあれば話を聞いてもらい、真摯に語りかけてくれました。僕が夢を描き、目指そうとする道に対しては一切反対をしませんでした。僕の少年時代に『その人』が一年に一度ほどの頻度で、言い続けてくれた言葉があります。「自分のやりたい事があれば、やりなさい。自分の好きな道を選びなさい。決して反対しないから―。ただ、その代わり、必ず自分で責任を取りなさい。大学までは面倒をみよう。だけど、大学を出たら、必ず一人で生きていきなさい」

 New「テレビ小僧」

2019年7月

自分は俳優をやっていますが、演劇をプロデュースして、作品も創っています。芸能の世界では、演技で最も難しいことは、人を笑わせること、とよく言います。泣かせることより、笑わせることの方が、余程難しいと。これは作品でもしかり、映画でも芝居でも、同じことが言えます。マンガの世界の事はよくわかりませんが、少なからず近い印象を僕は持ちます。

「トキワ荘物語」

2019年6月

マンガ好きな方には、最も有名なアパート名でしょう。マンガに精通していなくても、この名前を一度は耳にしたことがあるかと思います。 手塚先生がこのアパートで仕事をしていたので、編集の方がマンガ家の卵たちが田舎から上京する度に此処を紹介した事から、 若手マンガ家達が集い暮らすようになった処。

「さるとびエッちゃん」

2019年5月

この作品、週刊マーガレットの創刊号で、連載が始まりました。雑誌と共に、エッちゃんも産声を上げました。
創刊する少女マンガ誌にギャグマンガを描こうとする事は、とても勇気のいることだと思います。
やはりギャグマンガと言えば、少年誌が定番ですから。
でも、“実験無くして、進化無し”、何事にも挑戦する作者ならではのチャレンジだったと思います。
その挑戦が生んだ主人公は、マンガ史のなかでも稀有なほど、痛快で愛くるしい、人の心に残り続ける素晴らしいキャラクターなのです。

「人造人間キカイダー」

2018年2月

石森章太郎と言えば、『仮面ライダー』に代表されるヒーローものを連想される方が多いでしょう。
今こちらで、最初にヒーローものの作品の感想を書くのは、やはり『仮面ライダー』じゃないかとも思ったのですが、自分の趣向が、どちらかというと“反メジャー”なんですよ。映画でも、メジャー作品よりは、単館で上映しているようなアート系作品の良品を探すのが好きですし、演劇でも、大劇場の作品よりは、小劇場で作家性の強い作品を観るのが好きです。

章太郎の 「ファンタジーワールドジュン」

2018年3月

 「月刊COM」、1967年に虫プロ商事から創刊された雑誌です。作家性を重んじて、前衛的な実験が出来る場所だったと聞いています。そこで連載を始めたのが、「ファンタジーワールド ジュン」でした。

「佐武と市捕物控・隅田川物語」

2018年4月

 小学館の石森担当だった小西湧之助さんという編集の方がいらっしゃいます。
毎年正月には必ず家に訪れ、石森とは何時間も深くお酒を交わし合う仲です。
最後の入院の時、お見舞いに訪れて下さいまして、管に巻かれた石森の寝顔に向かって、「いろいろ、あったね」と一言、言葉を置いていかれました。

「佐武と市捕物控・狂い犬」

僕ら夫婦の結婚式の仲人をお願いしたくらい、懇意にさせて頂いている元小学館の小西湧之助さん。以前もご紹介させて頂きましたが、石森のためにビックコミックを創刊させた方です。漫画誌の世界に初めて大人が読むための雑誌を創った、言わば、マンガ業界に革命を起こした方です。

「リュウの道」

「よく最後まで連載を許してくれたね?」どうしても、この事が聞きたくて、石森が最後の入院時に、僕が尋ねた一言。それは、1969年から週刊少年マガジンで連載が始まった『リュウの道』のこと。

「星の子チョビン」

「僕にも二人の男の子がいて、育児にもなるべく積極的に参加をして育ててきました。子供たちと接して、初めて子供の目線で何を好むのかを理解出来たりします。この世に生まれて、まず最初に子供たちが好きになるキャラクターは、恐らく「アンパンマン」です。

「サイボーグ009 神々との闘い編」

「月刊COM」で、『ジュン』の後に連載した作品です。『ジュン』の事を知った後に、この作品に触れると、その系譜に頷きます。それは、作家性を重んじて、前衛的な実験が許された雑誌に、サイボーグ009という作品を書いたら、きっとこういう表現方法になるのかもれないな、という納得です。

「マンガ家入門」

誰でしたっけねぇ…確か、石森のお弟子だったか、他のマンガ家の方だったか…、いや、全くマンガとは無縁の方だったか…、とにかく複数の方に言われたんですよ。「この本で、みんな勘違いした」(笑)「先生は本当に罪な人だ」と、もちろん笑いながらですよ。文字だけ追っていくと、とても酷い言葉に聞こえますが、皆さん、一様に笑顔で僕に伝えます。

「幻魔大戦」

マンガが月刊誌本流だったのが、週刊誌が出始めて、マンガ家たちは時間に追われるようになりました。マンガ製作に分業という概念が生まれたのも、この頃だったと思います。ストーリーを創る人と、それを基にマンガを描く人。

「酔いどれ探偵鉄面クロス」

かつて、僕がレギュラー出演していたドラマで、『スケバン刑事』という作品がありました。マンガが原作ではありますが、石森作品ではありませんよ。和田慎二先生の作品。有り難いことに、斉藤由貴ちゃん主演のパート1、南野陽子ちゃん主演のパート2と両方に出演させて頂きました。その陽子ちゃん主演のスケバン刑事が、もともと鉄仮面を被っていたという設定だったんです。

『鉄面探偵ゲン』

これは、『酔いどれ探偵鉄面クロス』の続編にあたる作品です。設定は全く一緒ですし、主人公がタコの足を加えているのも一緒。ただ違うのは、クロスがヒーローもの作品だったのが、こちらは本格推理マンガになっている事です。それに、微妙ではありますが、絵のタッチも意識して少し大人っぽく書いているような気がいたします。

小野寺 丈 プロフィール

俳優として、15歳から初舞台を踏み、梅沢武生、梅沢富美男、浜木綿子、藤田まこと、左とん平、渡瀬恒彦など、多くの先輩俳優に師事し、影響を受け修行も積む。現在、シリアスも演じられる個性派の喜劇俳優として認められている。他に、三遊亭圓窓に師事し、「三流亭舞大」という名前を貰い、高座経験も持つ落語の腕前はセミプロと評されるほど。その落語も披露し、連作短編集の構成で演じる 自身のひとり芝居は、その構成の妙と数名を演じ分ける 演者としての幅の広さに、高い評価を得ている。

20歳で旗揚げし、途中10年間の充電期間はあるものの、プロデュースユニット JOE Companyの演劇活動は、ライフワークとして現在も継続中である。

演劇プロデューサーとしての評価もさることながら、脚本、演出をし創作する その作品は、SF、ファンタジー、コメディ、ミステリー、サスペンス、ラブストーリーとジャンルにとらわれない、自身にしか描けない作風。

何処にでもある日常に、非日常が絡むユニークな発想に引き込まれ、喜劇性豊かなストーリーに笑い、人間が持つ普遍的なテーマに感動し、緻密に練りこまれた構成と大胆な演出で表現される独自の世界に熱中するフリークが急増中。創作者としての評価も、作品を発表する度に登りつめている。