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年末年始は読“章”しよう! 石ノ森作品入門

生誕80周年ということで、皆様のおかげで賑やかな1年となった2018年。日本テレビ系24時間テレビで放映されたドラマスペシャル『ヒーローを作った男 石ノ森章太郎物語』やNHK 100分de名著スペシャル『100分de石ノ森章太郎』のほか、さまざまな書籍や商品が発売され、各種イベントも実施されるなど、本当にいろんなことがありました。そして、来年は『サイボーグ009』が誕生55周年を迎えます。そんな年末年始に、1年の疲れを休めながら、2018年に発売された本を中心に「石ノ森章太郎入門」のご提案。石ノ森章太郎を知り始めた方も、まだ知らない方も、もちろんよーく知っていただいてる方々も、石ノ森の関係書籍で年末年始を読“章”して過ごしてみてはいかがでしょうか?

「石ノ森章太郎」自身が主人公の万華鏡的作品集!

『石ノ森章太郎の物語』三栄書房

石ノ森章太郎という萬画家の来し方を鮮やかに描いた『青いマン華(ガ)鏡』や、手塚治虫氏をめぐるエピソードを回想する『風のように… 背を走り過ぎた虫』、子どもを取り巻く環境とふるさとの自然に思いを馳せる『小川のメダカ』など、自身を主人公(あるいはモデル)にした短編をまとめた、まさに「人間・石ノ森章太郎入門」といえる一冊。ギャグあり、ホラーあり、ミステリーあり。自伝的だったり、フィクションの登場人物だったり、ジャンルもタッチも作品のテイストに合わせて変えてしまう、万華鏡のような石ノ森の世界をお楽しみください。

青春の軌跡、トキワ荘!

『章説 トキワ荘の青春』中公文庫

衣食をともにしたマンガ家仲間たちとの若き日々と、その中で訪れた最愛の姉との別れ…。トキワ荘を巡る青春の光と影を小説ならぬ“章説”として描いた交遊録です。手塚治虫先生を始め、寺田ヒロオ先生、藤子不二雄両先生、鈴木伸一先生、森安直哉先生、つのだじろう先生、園山俊二先生、赤塚不二夫先生、横田徳男先生、長谷邦夫先生、水野英子先生…トキワ荘の住人や通ってくる仲間たちにまつわるエピソードは、それぞれの人柄が“いまそこにいる人”であるかのように親しみとともに伝わってきます。石ノ森的「トキワ荘入門」の一冊です。

「ヒーロー」にフォーカスしたビジュアル満載の記念碑!

『石ノ森章太郎クロニクル 魂 仮面ライダー キカイダー サイボーグ009 and more. 』玄光社

そのタイトルが示すように、『仮面ライダー』『人造人間キカイダー』『サイボーグ009』にはじまり、『イナズマン』『ロボット刑事』『変身忍者 嵐』『秘密戦隊ゴレンジャー』など、さまざまな石ノ森ヒーローを、そこに込められた「魂」をも含めて解き明かそうと試みる記念碑的な一冊。豊富な特撮作品のスチール写真やデザイン画、原画、イラストなど視覚的にも楽しみながら、映像、マンガ、フィギュアなどなど、各方面から石ノ森作品に関わったクリエイターたちのインタビューも新鮮に読ませてくれる、まさに「石ノ森ヒーロー入門」の書です。

自らライフワークと称した『サイボーグ009』は、どのようにして生まれ、どのように描かれたのか。雑誌「Pen」(2012年9/1号)で好評だった特集「サイボーグ009完全読本。」を大幅に加筆・再編集した一冊です。姉の死、そして当時海外旅行自由化前にして実現させた世界一周旅行と、そこで得た多くの知見…。それらがどのようにして作品誕生につながったのか、年表や資料とともに解説記事が収録されています。また病床でなお記し続けた『サイボーグ009 完結編』の構想ノートや、海外旅行時に携えていたメモ帳なども一部紹介。「009の作り方入門」とも言える一冊です。

サイボーグ009』を通じてあらゆる「萬画」を読む!

『完全解析!石ノ森章太郎』宝島社

石ノ森章太郎が残した萬画の数々を、ライフワークである『サイボーグ009』を軸に解析するという命題を掲げた意欲作。俎上に乗るのは『二級天使』『龍神沼』『テレビ小僧』『幻魔大戦』『佐武と市捕物控』『章太郎のファンタジーワールド ジュン』『仮面ライダー』『変身忍者嵐』『人造人間キカイダー』『ロボット刑事』『009ノ1』『HOTEL』…と、まさに石ノ森の多彩な作品を取り上げています。多ジャンルにわたる作品を分析・紹介してくれる、(少々コアで)多面的な「石ノ森章太郎入門」です。

電車に住む不思議な少年たちの奇想天外ストーリー

石ノ森章太郎デジタル大全『ドンキッコ1』講談社

※単巻購入可能

NHKの朝ドラ『半分、青い。』に取り上げられた『ドンキッコ』。田舎から出てきた少年が、仲間とともに空き地に放置されていた電車の中に住んで商売を始める、奇想天外なコメディーです。「石ノ森的ギャグ入門」としてぜひ。

石ノ森が開拓した「教養マンガ」の正当なる系譜!

『マンガ日本と世界の経済入門』KADOKAWA

80年代後半のバブル前後を描き、第33回(昭和62年度)小学館漫画賞と第17回(1988年)日本漫画家協会賞大賞を受賞、アニメ化もされた『マンガ日本経済入門』。それから30年以上を経て、今の“経済”を描くなら…と企画されたのが本書です。現代の世界情勢、仮想通貨を中心とした新たな「お金」の概念…。それらをわかりやすく解説しながら、現実世界とVR世界のパラレルワールドを行き来する先が見えない展開にハラハラする、まさに「経済SFマンガ」とも言えるかもしれません。大学生や新社会人はもちろん、経済の基本を復習したい&新しい経済を知りたいオトナにもおすすめの、「石ノ森的教養マンガ入門」です。

マンガはすべてを表現できる…。その思いに従って日本の歴史を古代から現代までコミカライズし「萬画家宣言」に至った「マンガ日本の歴史」。その中でも近年「応仁の乱」ブームで第22巻が注目を集めました。時代ごとに出来事が描かれているので、興味ある年代、トピックから手に取っていただいても。「石ノ森的歴史入門」のススメです。

石ノ森章太郎の代表作であり、来年2019年には誕生から55周年を迎える『サイボーグ009』のメインキャラクターである島村ジョーにフォーカス。さまざまなカラー原画を入り口に、ジョーのプロファイル、加速装置コレクション、容姿の変遷、感情表現集…などなど、ちょっと変わった切り口から『サイボーグ009』の世界を楽しめます。仲間たちとの掛け合いや手に汗握る危機からの大逆転劇、フランソワーズとの恋愛模様、その他の美しきヒロインたちの紹介も見どころ。さらに井上和彦氏×櫻井孝宏氏による“歴代ジョー”対談、名越康文氏の考察と内容も盛りだくさんな「009/島村ジョー入門」です。

多くの人気作家が影響を受けたと語る「マンガ家入門」!

『石ノ森章太郎のマンガ家入門』秋田文庫/講談社 石ノ森章太郎デジタル大全

※単巻購入可能

40年以上前の本なのに、今なお売れ続けている「マンガ家のバイブル」。名作『龍神沼』の演出技法を1コマずつ解説したり、マンガ家の生活や心構え、ギャラの交渉…などなど、多岐にわたって“マンガ家のリアル”が学べる必読の参考書です。

ジョージ・オーウェルの歴史的名作を萬画化!

『アニマル・ファーム』ちくま文庫

全体主義や独裁政治の恐ろしさを寓話的に描いた名作として名高いジョージ・オーウェルの「動物牧場」をコミカライズした幻の作品が、50年の時を経てこの秋ついに文庫化。さらに小松左京原作の「くだんのはは」、怪談牡丹燈籠をモチーフとした「カラーン・コローン」も合わせて収録された“おトク”な一冊です。扱いやすい文庫サイズなので年末年始の帰省時にももってこいです。

SFマンガの金字塔を、DNAを受け継いだ2人が新たに描く!

『幻魔大戦Rebirth』(1〜8)小学館/サンデーうぇぶり

平井和正×石ノ森章太郎のDNAを受け継いだ七月鏡一と早瀬マサトのコンビによる新たな「幻魔大戦」がサンデーうぇぶり(https://www.sunday-webry.com/series/748)で連載中。単行本も8巻まで発売中です。幻魔と東丈、その他のさまざまなサイキックたちが繰り広げる圧倒的スケールで息をもつかせぬ展開。数多くの石ノ森キャラクターも登場し、物語を盛り上げます。デジタルでも読めるからどこでも楽しめます!