2020年12月4日、日本経済新聞に『サイボーグ009』がページ一面に使われたカラー広告が掲載されて、話題になったのをご存知の方も多いと思います。その広告には「LOGISTEED」という見慣れない言葉が大きく書かれていました。

その日本経済新聞の広告掲載に『サイボーグ009』を起用した企業は、日立物流。
一体どのような会社で、「LOGISTEED」にどのような意味があって、なぜ『サイボーグ009』を広告起用したのか、日立物流・経営戦略本部広報部長の多賀鉄朗氏にお話を伺いました。

取材場所は、パートナーとの「協創」の場所として日立物流内に設置された「LOGISTEED CAFÉ」です。

Project Room

It is a place to hold meetings and discussions on co-creation projects. The wall of the room is a whiteboard, so you can write ideas freely. Face-certified locks are also attached.

Exhibitions

日立物流グループの歴史や事業紹介、世界各地の拠点などをタッチ式のディスプレイで紹介しています。

Cafe

カジュアルな打ち合わせやコーヒーブレイクの会話などから出会いやヒントを得る場です。今後、コーヒーメーカーを導入予定です。

Entrance

入口右側の壁面には、プロジェクターで日立物流グループのCMやウェルカムボードとしてお客様をお迎えするメッセージなどの映像を投影することができます。

Theatre S

臨場感のある映像空間です。新幹線輸送現場の映像や全国の特徴ある物流センターをリアルに体感できます。(270°シアター)

LxHUB

セミナーやワークショップ、研修などを開催できる協創空間です。前方には大画面がありプロジェクターで資料などを投影でき、電子ペンで文字を書き込むこともできます。オンライン会議の会場としても利用可能でインタラクティブな使い方ができます。

―まず、日立物流とはどういう会社ですか?

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簡単に説明しますと、日立製作所が従来ご自分たちでやられていた運輸部門を1950年に独立させた会社です。今年で71年になります。日立物流グループとしては、現在国内約29,000人、海外約16,000人が、様々なエリアで働いている多様な物流会社です。

当初は、日立製作所の製品しか運んでいませんでしたが、今では約8割ぐらい日立グループ以外のお客様の商品等を運んでいます。宅配便のような物流ではなくてB to Bのお客様、例えば工場から卸さんに届ける物流センターのお仕事ですとか、その後実際に小売店に運ぶとか、そういった比較的消費者の方の目に触れない、本来はモノを作ったり、売ったりすることに集中された方が良いお客さまの物流をお客様の代わりにやる会社です。「サード・パーティー・ロジスティクス」といいますが、この3PLという業態では日本で今のところシェア一番の会社です。

 

―そもそも、多賀さんが『サイボーグ009』のファンだとお伺いしました(笑)。

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そうですね(笑)。私が1970年生まれなので、1979年の赤いコスチュームのTVアニメが始まったのが9歳のときでした。当時は、『機動戦士ガンダム』や『サイボーグ009』などアニメが全盛期でした。小学生の時は、1979年のアニメ主題歌「誰がために」を皆で歌っていましたね。「サイボーグ戦士 誰がために戦う」っていうオープニングで小学校時代を過ごしたような感じです(笑)。私の名前が多賀( たが )なので、自分の為にサイボーグ戦士は戦ってくれている!と誇らしく思っていました。そういえば、小学5年生ころの学級新聞に「ギルモアくん」という、「ギルモア博士」をゆるキャラにしたような4コマ漫画を自分で考えて連載していました(笑)。

最初の出会いはアニメでしたが、そこから石ノ森先生のマンガを読み始めました。その頃から戦記物に関心があったので、特にベトナム戦争が描かれた「ベトナム編」にすごくハマりました。ああいうシビアな話と、サイボーグの哀しみみたいな感じが当時10歳ぐらいの私にとってはすごくインパクトがあったんですよね。途中、離れたりもしましたが、いつも心の中には加速装置を付けてました(笑)。困った時は004みたいに、体中武器になればいいなと思っていましたね(笑)。

―広告というかたちで、自分の好きなキャラクターに関わるのはどんなお気持ちですか?

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(笑)。私はずっと人事や総務、秘書の仕事をやってまして、2019年8月に初めてこの広報部に来たんです。自分だったら広報でこんなことしたいなっていう考えはずっとありました。ただ、もちろん自分の趣味で動く世界ではありませんので、予算を立て、それが社内外にどれだけ効果があるかを出し、社内の決裁が下りるようにちゃんと入念に進めました。マンガやアニメーションで、特徴のある我々のビジネスとコラボレーションできる作品を選んで広告展開したい、というのが一番強い思いでした。

―最初に社内で『サイボーグ009』を広告起用するというアイデアを出された時の反応はどうでしたか?

 

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やはり50代から60代は皆さん知ってるので、かなり好意的に受け取ってくれましたね。若い世代はあまり知らなかったようで、例えば映画の『007(ダブルオーセブン)』と勘違いされたり、「サイボーグ」という言葉自体がわからなくて「ロボットものですか?」と聞かれたりしましたね。

―一般のお客さんではなく企業向けの業態で、『サイボーグ009』のようなキャラクターを起用する意図はどのようなところにあったのでしょうか。

 

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日立物流という固い名前の会社でB to Bですから、これまではいわゆる商品とかサービスを訴求するというよりはイメージ戦略だったり社名を前面に出す広報が多かったのですが、この「LOGISTEED」は、「物流を超えて行く」という狙いですので、従来の広告戦略も超えていこうというのが意図です。B to Bの向こう側にはB to B to Cという、普通のお客様、一般消費者の方がいらっしゃいますので、この広告で興味を持たれた方が日立物流のことを理解していただくことがとても大事なことだと思っています。
2020年の12月をスタートに、これから1月から9月まで9か月間広告は続いていきますが、当社のサービスやコンセプトに「サイボーグ009」はとても合っていると思っています。それから、「009」は赤を基調としてますが、日立物流のコーポレートカラーも赤と青なんです。そういう点もピッタリ合っていると思っています。

―実際に12月4日に日本経済新聞にページ一面で広告が掲載されて反響はいかがでしたか?

 

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全面カラーでインパクトがあって、いろいろなSNSに、特に50代60代の世代の方たちに「我々の009だ」というような事をたくさん書いていただいて、もうしてやったりという感じです(笑)。朝から夜中、そのまま翌日まで反応がありました。
今までの日立物流のイメージや日立というブランドが持つイメージとはだいぶ違ってますので、お客様はかなりいい意味で驚かれてます。日立物流ってこんなことするんだとか、何で「009」にしたのか詳しく教えてくれとか、そういう反応もありました。
今まで我々が全く関りがなかったSNSの方たちに、ここまで関心を持っていただいているということが凄いなと驚いています。それから、社内のあまりこういう派手なことに慣れてない人たちが、「009」から勇気をもらったという反応も出ています。

―とは言え、『サイボーグ009』は基本的に敵と闘うシーンが多いので、日立物流のブランディングとして、そのままリンクさせることは難しかったのではないでしょうか?

 

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サイボーグ戦士は、例えばブラック・ゴーストを倒すために戦わなきゃいけないですよね。我々も新領域に行くには、それぞれの、例えば「AI・ロボティクス」に強いところ、それから「金融」に強いところ、それからその他の「物流以外のサービス」に強いところ、そういう能力とタッグを組んで目的達成を目指すわけです。「武器」と「サービス」の違いはあるかもしれませんが、それぞれの力を結集して目的を達するという意味では凄く近いかなと思っています。

―まずは、『サイボーグ009』の全員が揃った広告ビジュアルを公開されて、現在はサイボーグ戦士一人ずつとリンクしたメッセージ広告を打ち出していますが、その他に展開は考えられているのでしょうか?

 

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新聞広告とは別に日立物流のホームページに「009アクション(https://www.hitachi-transportsystem.com/jp/logisteed_009/)」という特設サイトを作らせていただいてます。それから本社ビル4階にある「LOGISTEED CAFÉ」で、009をデザインした珈琲パックとマスクケースをお客様にお配りしています。
毎週金曜日昼の12時10分ぐらいから、TBSラジオで「LOGISTEED CAFÉ」という10分間のコーナーを放送しているのですが、番組のリスナーさんにもそうしたグッズをプレゼントしています。「サイボーグ009」シリーズを媒体にして、WEBやラジオ、それから社内報などで周知していこうと思っています。

―「LOGISTEED CAFÉ」は、どのような施設なのですか?

 

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昨年の12月に出来たばかりで、もともとは日立物流グループのイノベーションラボ、例えば技術開発や人の育成といった研究施設を考えていました。
ただそこからちょっと発展して、社内だけじゃなくて社外、お客様ですとかパートナーも巻き込んで、ここでざっくばらんにいろんな話ができたり、270°シアターで実際の物流現場を見ていただいたりとか、そんなことができる対話の場、発信の場に変わってきています。日立物流としても全く初めての試みですので、そこにちょうど「サイボーグ009」の広告がタイミング的にもピッタリ合ったのではないかと思っています。

―最後に、『サイボーグ009』のファンに向けてメッセージをお願いします。

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たくさんの熱心な方たちがファンでいらっしゃると思いますので、私ごときが言うのは非常におこがましいんですけれども、石ノ森先生の作品、キャラクターを日立物流グループとして起用させていただいて、石ノ森先生のファンの方たちと同じように石ノ森先生の魂をありがたく共有したいなと思っています。