「テレビ小僧」第3回

もし石森章太郎という人物に、マンガというジャンルで師匠がいるとしたら、間違いなく自分は、ウオルト・ディズニーの名前を挙げます。
多くのクリエイターが、多大な影響を受けていると思いますが、日本のマンガ史に直撃するほど、手塚治虫先生も含め、ディズニーが発信したモノは甚大な影響を与えたと思っています。

まだ、海外旅行も珍しい頃、石森は編集部からお金を前借りして、世界一周旅行を一人でしてきました。
その時に行った、本場アメリカのディズニーランドがどれほどエキサイティングでファンタスティックな場所であったか、
自分が子供の頃に、よく興奮しながら話してくれました。

自分にも現在小さな子供がいて、よく一緒に東京ディズニーランドに足を運び、ミッキーマウスやトムとジェリーやポパイなどの、かつてのアニメに触れる機会も多いのですが、全く古さを感じずに、色あせない作品には、ディズニーのほとばしる稀有の才能を感じずにはいられません。特にアニメ作品など、実写以上に滑らかに躍動する絵には、今観ても驚きを隠せないほど。

もし、石森がギャグマンガで影響を受けるものがあったとしたら、きっとそれはディズニー作品でしょう。自分が良かれと思ってやっていることが、張り切りすぎて空回りするドタバタは、初期のディズニー作品の典型です。石森が描く「テレビ小僧」の後期の作品などは、マンガでありながら、コマから飛び出んばかりの躍動感とテンポを感じ、現代でも通用する新しさを感じさせるものです。我が子が、ディズニーの初期のアニメを観ながら大笑いし、釘付けになるように、石森ギャグ作品も、躍動する普遍的な可笑しさで、現代の子供たちにも読んでもらいたい一作には違いありません。