「テレビ小僧」第2回

僕が小学生の頃です。DSやWIIのようなゲーム機もなかった時代、子供の娯楽はマンガでした。
当時、秋田書店から発行している少年チャンピオンでは、水島新司先生の「ドカベン」や手塚治虫先生の「ブラックジャック」などが連載されていて、
そのなかで山上たつひこ先生の「がきデカ」が、ギャグマンガとして同級生の間で話題を呼んでいました。

自分もしかり、単行本まで買い、ハマっていたのですが、「がきデカ」を読んでいた僕に、石森が近づき、こう言ったのです。
「こういうギャグマンガを最初に書いたのは、自分だよ」もちろん、一字一句覚えているわけではありませんが、だいたいこんなような言葉でした。
普段決して自己主張する人では無かったので、この言葉がとても印象深く、未だにこの時の記憶は薄らいでいません。
“ナンセンスギャグ”という言葉も使っていたと思いますが、まだ小学生だった自分には、その意味を明確に理解することが少々困難でした。
ただ、滅多に見せない自己主張に触れ、ここは紛れもなく自分が開拓した領分なんだと、高らかに宣言してくれたようで、
とても勇ましく思えて感動したことを覚えています。

確かに、ストーリーで笑わせていくというより、ストーリーとは関係なく、突拍子もないギャグが畳かける展開は、日本のマンガ史では、
「テレビ小僧」が最初かもしれません。
その後、多くのマンガ家がこの後を追っていき、多大な支持を得ていきます。

だけど、いつも思います。
石森章太郎というマンガ家は、時代より先を見て、一歩、いやもっと多くの歩数で、先を歩いていると、今読んでも、決して古さを感じず、
むしろオシャレささえ感じるナンセンスギャグマンガは、今世紀に再評価されてもいいんじゃないかと真剣に思えるのです。