『シリーズ怪獣区 ギャラス』は、東映の特撮研究所のスタッフが全面的に関わり、怪獣デザインに石森プロの田嶋秀樹、怪獣造形に百武朋と吉松学、スーツアクターに佐藤太輔、そして主演に奥仲麻琴、南圭介を迎えた布陣で製作されました。
注目は、着ぐるみの怪獣ギャラスがオープンセットで大暴れする迫力の特撮シーン。
2月8日発売の『ハイパーホビー』(徳間書店)ではその着ぐるみに関わった田嶋秀樹、百武朋、並河学の鼎談が掲載されています。
その一部をここに特別掲載します!
HH どうして石森プロの田嶋さんが怪獣のデザインを担当する事になったのか聞かせて下さい。
田嶋 『仮面ライダーフォーゼ』の時の立ち上げの仲間で年に1回、2回集まって飲んだりしてるんですが、そこで塚田Pが以前からやりたがってた怪獣モノが実現できそうだ、みたいな話になって、「こういうの好きでしょ、やる?」ってなって。そんな感じでまぁ、飲みの席がきっかけです(笑)。
HH 怪獣のデザインは初めてですよね。お好きなんですか?
田嶋 怪獣は初めてですね。そりゃ好きですよ、世代ですから。
HH どういう感じで話が進んでいったんですか?
田嶋 最初の企画打ちとかでも色々ブレスト的なものをやったんですが、そこにあるのはもう「とにかく怪獣モノをやりたい」っていう情熱しかないんですよ(笑)。みんな各々の自分が持ってる怪獣像、好きな怪獣の話なんかをするんですけど、みんな自分の中の怪獣モノのイメージは見事にバラバラで。
そこからアイデアノート的なプロットに進むのですが、初期に金子(香緒里)さんから出てきたものは、怪獣は灼熱でめちゃくちゃ熱い怪獣とめちゃくちゃでかい怪獣でしたね。そのプロットを基に数案いろんな方向性の怪獣デザインのラフ案を出していったんですが、ある日、塚田Pが「カラスの怪獣がいい。カラスはかっこいい!」って言いだすワケですよ。
今まで出たプロットや打ち合わせからは絶対に想像出来ないモチーフだったので、「何でカラス?」って聞いたら、「たまたま図書館に行ってカラスの本を見たらやたら格好良く見えたんで、監督とも相談したんだけどカラスの怪獣にしたい」って。カラスか!ってなもんで(笑)。
それで自分の頭にある怪獣案もすべてクリアにして、カラスをベースにデザインを描き始めたっていう感じですね。
怪獣デザインの打ち合わせをやっているうちに、やっぱり特撮研究所がせっかくやるからにはCGよりはお家芸のミニチュア特撮をやらないと意味ないんじゃない?って話になったんです。
自分もミニチュアや着ぐるみを使った伝統的な「ニッポンの特撮」というのは大好物なので異論はありませんし、むしろすごくワクワクしましたね。
2/8発売「ハイパーホビーVOL.13」取材記事より
東映特撮ファンクラブ
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ハイパーホビーVOL.13
http://characterland.jp/books/190208_hh13/